RICOH Theta マウント Libre Calc編 #17

THETAマウント

今回で、Libre Calcを使ったアプリも完成です。
結局、RICOH Theta Sを譲っていただいてから、17週間もかかってしまいましたがなんとか、実用レベルとなりました。
一時は、分解して中身を使おうかとまで考えたのですが、名機なので改造なしで達成できてうれしいです。
Libre Calcに関する知識も得ることができましたし、自己満足ですが、かなり楽しめました。

RICOH Theta Sは、発売開始が2015年10月23日だったらしいです。
すでに7年経過しており、型落ち感はありますが、使っている限り十分に画像はきれいですし、CMOSの感度やAEの追従性も悪くないと思います。

今後は、自分の会社の机の上で第2の人生として過ごしてもらおうと考えています。
おそらく使っていく中でほしくなる機能も出てくると思いますが、随時個別に機能アップしていこうと考えております。

今週は残りの4、5の機能を組み立てます。
最後の週ですが、今週も進捗報告みたいになってしまいました。
あまり内容的には面白くないかもしれないですが、よかったらのぞいてやってください。

1.「ライブビュー表示」「静止画撮影」
2.「画像をシートに追加」
3.「古い画像の削除」

4.「自動OFF」
5.「ユーティリティ」 ← 急遽追加

■ 下調べ

別途 Libre CalcのTIPとしてまとめましたが、今回は、下記の2つの下調べを行いました。

〇 自動OFF

自動OFFを実現するには、Excel VBAでいうところの「時間指定実行」機能が必要となりますが、Libre Calcにはその機能がありません。
その実現方法について、調査し、一応できることを確認しました。

Libre Calc Macro : 指定時刻実行(Auto Sheet Closer)

一応というのは、この方式は、後に問題のあることが判明しました。
基本的にはこの方法で間違いはないのですが、複数のLibre Calcマクロを起動させ、シリアル通信等のWindows API内で停止するような処理を行うとLibre Calcのイベント処理が止まってしまうことが判明しました。
これを解決するには、別の手法を組み合わせる必要があります。
こちらについては、別途TIPとして報告しようと思っています。

〇 シリアル通信で機器制御する方法

Theta Mountには、RICOH Theta、Theta Mountを制御するためのシリアル通信で機器を制御するIFを搭載してあります。
Arduinoは、USBシリアル制御チップを搭載しているので、うまく使うとUSB接続可能な連係動作、デバイスを開発することも可能となります。
Excel VBAでは制御できることを確認していたので、Libre Calcでも同じことができるかを確認しました。

Libre Calc Macro : シリアル通信で機器を制御する

結論としては、これに関しては、Excel VBA同様でした。
これが使えると、デバイスの出力データを表計算が持っているシートや、グラフ等のツールと組み合わせができるので、実用的なアプリの設計が比較的簡単に可能となります。
私が今回Libre Calcを選択した理由もここにあります。
今回は、撮影、画像整理のジグでしたが、社内システム等も作ることが可能だと思います。
昔々は統合ソフトと呼ばれるシステムがありましたが、それ以上のことが簡単に実現できると思っています。

■ アプリ機能

今回は、Settingシートの機能について紹介させていただきます。
Settingシートは撮影動作に関する設定を行いますが、それ以外にTheta Mountの調整も可能にしています。
Settingシート内の設定機能は、緑の部分となります。
グレー部分は、撮影制御に使用するものですので、今回は説明を省略させていただこうと思います。

setting シート

〇 設定値の説明

設定項目内容
カメラNo.インストールされたUVC、WebカメラNo.となります。
0からナンバリングされます。私の環境は、すでにRICOH THETA以外のカメラが接続されているので、1を設定しています。
カメラポートRICOH Thetaマウントのシリアルポート名を指定します。
無操作OFF(分)撮影操作を行わない場合にRICOH Thetaの電源をOFFするまでの時間を指定します。
OFF:無操作 OFF無効
10~50:指定された時間、無操作の場合電源をOFFする
AUTO OFF指定された時間にRICOH Thetaの電源をOFFします。
ただし、「無操作 OFF無効」場合にのみ有効となります
OFF:AUTO OFF無効
00:00:00~59:59:59:指定された時刻にOFFする
画像保存期間撮影した画像を保持する期間(日数)を指定します。
日の出日の出時間を指定します。
将来、照明等の制御を行う際に使用します。
日の入り日の入り時間を指定します。
将来、照明等の制御を行う際に使用します。

〇 ボタンの説明

  1. 設定確認
    指定されたカメラポートが、Theta Mountのポートであるかの検査と、画像撮影が可能なことを確認します。
  2. コントロールパネル
    RICOH Theta、マウントに関する各種制御を行います。
コントロールパネル画面
ボタン機能
ChargeRICOH Thetaのバッテリーチャージを行います。
撮影中であっても充電できるはずですが、何かの不具合で電池切れとなった際にTheta Mountに接続したまま充電が可能です。念のため、ファンによる冷却を行いながらの充電を行います。
USB_ONRICOH ThetaのUSBポートを接続します。カメラの調整、設置時に必要に応じて使用します。
USB_OFFRICOH ThetaのUSBポートの接続解除を行います。
リセットRICOH Thetaマウントをリセット(電源投入)を行います。
OFF位置RICOH Thetaマウントを分解した際のアーム調整で使用します。
アームで電源ボタンを押す位置を調整します。
待機位置RICOH Thetaマウントを分解した際のアーム調整で使用します。
電源投入時のアーム待機位置を調整します。

■ おまけ(プチ改造)

夏休みに実際に運用テストを行っていて、室温35℃で運用した際に熱でシャットダウンしてしまいました。そんな過酷な環境で使うことはないと思いますが、心配だったので、ファンの風量を稼ぐためのフィンを作りました。単にファンの上において、風向を変えるだけのものですが、本体に当たる風量が格段に増えたように思います。

■ 動作の様子

単に、撮影開始してから停止するまでの画像をご覧いただければと思います。
ON時にWindowsがカメラを認識するまでの時間、停止するまでの時間がありますが、個人的にはこれくらいで動作してくれれば満足です。
カメラの上に紙袋を載せてますが、後ろのライブビューで部屋が全部見えてしまいますのでかぶせました。プルプル震えているのは、Theta マウントからの風が原因だと思います。
見苦しいかもしれませんが、御勘弁いただければと思います。

■ 来週

長い間、本当におつきあいありがとうございました。
Theta マウントとしては、今週で完了となります。
早速、今週は、Theta マウントを実際に設置する予定です。
来週は、RICOH Theta マウント自体ではないですが、少し、機能拡張していこうと思います。
よければ、また覗いていただけるとありがたいです。


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