編み出した原理を元に色々と試行錯誤した様子を紹介させていただきます。
光学ユニットの検討は主に、全体構成の検討、発光ユニットの検討、ミラーユニットの検討の3つに分けて紹介しようと思います。
■ 原理試作
ノートラブルでスムーズに進むわけはないと思ったので、まずは、課題を知るために以下のような原理試作をやってみました。原理試作では、ミラーユニットには、100均のアクリルミラーをカットして貼り付け、発光ユニットにはテストパターンを表示して確認しました。
顕微鏡への装着方法は、対物レンズ固定具を手前にし、発光ユニットが顕微鏡の裏にくるように装着して使用します。
■ 原理試作結果
試作の結果、実用性にかかわる問題が見つかりました。
どの問題も、実用性にかかわる問題なので、クリアするには結構時間がかかりました。
〇 構造的な課題
焦点距離を確保しようとすると後ろのスペースが狭くなり、顕微鏡を固定している台にあったってしまう。これを回避するために、原理試作品のように全体的に横によけると、作業中に手があたってしまい邪魔になる(緑の枠で囲った部分)。
〇 発光ユニットの問題
発光ユニットには、いくつかの問題があり、
・発光ユニット画像は、観察対象物同様に拡大されてしまう。
・左目への投影なので、発光ユニットの正面ではなく、対角となる右端が映る。
・数値の投影位置が変えられない。変えると、焦点がずれてしまう。
〇 ミラーユニットの問題
ミラーユニットは、片目の視界にのみ入るように設計してあるので、両目でのぞくと、人間の頭が適当に情報処理し、基板等が透けて見える(Good)。
ただ、見た目は自然ではあるものの、左右の目に妙な違和感があり、目が疲れる気がする。
■ 構造的な課題の解消
まずは、構造的な課題を解消します。
構造的な課題を解消するには、作業を邪魔せず、焦点距離を稼ぐようなユニットが必要になります。
素人にプリズム等で焦点距離を調整するようなモノは作れないですし、現実的な方法をあれこれと悩みました。構造が単純で発光ユニットが顕微鏡台に当たらない構造・・・
思いついたのが、下図のように、適度な距離でミラーで90度上方へ反射させて、焦点距離を稼ぐ方式です。この方式であれば、効率的に顕微鏡裏にユニットを格納することができます。
また、数値投影位置を変えても、焦点がずれることもありません。
さらに、正面から見ると、原理試作で、対物レンズ1本分以上ほど、はみ出していた部分は、ほぼなくなり、奥行きも短くすることができます。
■ 最終的な構成
最終的には下記のように、対物レンズの固定部品、発光ユニット、ミラーユニットで構成するようにしました。これは、ミラーユニットの形状や構造が試行錯誤となりそうなので、着脱可能な形状とし、融通が利くようにしたかったためです。後々のこともあり、ミラーユニットは磁石で発光ユニットと一定位置で接続するようにしました。
■ まだまだ続きます
まだまだ続きます。週1ペースで更新していきますので、よかったら、また見てください。