今回は、100均のタッパーを使ってフィラメント保管BOXを作ります。
前にも制作しているのですが、追加でほしくなったので、リピートでの作成です。
このBOXは、保管状態まま印刷できるので便利です。
私は、PLAを使うことが多いのですが、フィラメントが劣化すると、フィラメントが切れてしまい、ノズルの中にフィラメントが詰まることがあります。できばえも、きめ細やかさや艶もなくなり、曇った感じになるように思えます。
私の環境は、フィラメントに力がかかりやすいのでフィラメント固定用の軸にベアリングを入れて作成しました。thingiverse、youtube等でも、数多くの方々が公開されていますので、自分なりにアレンジすると、結構楽しいと思います。
私も、Youtuberの方々が安く上げるために100均のタッパーを転用されているのを拝見し、真似させていただきました。
■ CAD画像
言葉での説明は難しいので、最初にCAD画像をお見せします。タッパーの中に納まるようにフィラメントリールを固定し、図にはないですが、フィラメントを通す穴をあけて使用します。また、タッパーには乾燥剤などを入れておき、乾燥状態を保ちます。
CAD図面では、湿度計を入れていますが、なくても問題ないと思います。
わたくしの住んでいる地域は、冬は、ものすごく多湿なので、乾燥剤のチェックが欠かせないので、入れました。
■材料リスト
今回作成するフィラメントBOX作成で使用した3Dプリント品以外の材料です。
商品名 | 個数 | 使用部位 | 備考 |
タッパー | 1 | フィラメントBOXのケース | ダイソーで入手しました。@200円 幅×長さ×高さ=約29cm×約22cm×約12cm |
温・湿度計 MINI | 1 | フィラメントの温度、湿度メーター | ダイソーで入手しました。@100円 |
PMP6 | 1 | フィラメントの取り出し口 | Amazonで入手しました。@272円 新潟精機株式会社製のモノを使用しましたが、他社のモノで大丈夫だと思います。 PMP6 |
テフロンチューブ 外形6mm 内径4mm | 1 | フィラメント取り出し口のガイド | 私の場合は、3Dプリンタの補修部品として持っていたものを使用しましたが、PMP6と接続できて、フィラメントが通ればよいと思います。 |
M8 12mm 全ねじボルト | 1 | フィラメント軸 | フィラメントを支える軸の芯に使います。ベアリングを支える芯として使用します。ホームセンターで購入可能です。 |
M8 ナット | 1 | 同上 | ベアリング固定用として使用します。 |
ベアリング MR128-2RS (内径8mm 外径12mm 厚さ3.5mm) | 2 | 同上 | フィラメントを支える軸用。私の場合は、別の工作で余っていたものを使用しました。Amazonでも入手可能ですが、結構なお値段してますね・・・Σ(・□・;) MR128-2RS |
M4 10mm | 12 | フィラメント固定軸 湿度計 | 3Dプリント部品を固定するために使用します。ワッシャーも使用した方がよりよいと思います。私の場合は、別の工作で余っていたものを使用しました。 |
■ 3Dプリント部品
フィラメントリール固定用キャップ、フィラメント固定軸、湿度計の構成部品の一覧です。
これらの部品は、あらかじめバリやサポート材を取っておきます。
私は週末に作業することが多いので、平日の夜中によくこんな風に作業やってます。
ねじ穴のサポート材をはがし、バリをバリ取りナイフで削って仕上げます。
■ 組み立て前の準備
タッパーに3D部品を組み付ける前に、部品を3つほど準備をしておきます。
フィラメント固定軸の準備
フィラメント固定軸の下準備として、フィラメント固定軸にベアリングのセットと、ベアリングを支える芯となるM8ねじを必要なサイズにカットします。
グラインダー等で切り落とすのが楽でよい思います。
ただ、今回、私は、夜中に自室で作業を行ったのですが、音と火花で近所トラブルになりそうでしたので、途中から、金切鋸に切り替え切りました。
夜中にグラインダーはやめた方がよいと思います(^^;)
次にフィラメント固定軸にベアリングをセットします。
よく使う手だと思いますが、ベアリングを収める両端のスペースに、万力で圧着しました。
後は出来上がったねじと、フィラメント固定軸、スペーサーをセットして、軸の完成です。
湿度計の準備
湿度計を固定枠にセットし接着します。接着には、アクリル樹脂用接着剤を使用しています。
接着面の隙間に入り込みPLAを溶着するので、強力に部品同士を接着し、厚みもありません。
ぴったりとくっつける場合には、おすすめだと思います。
欠点は、はみ出した部分も溶かしてしまい、跡が残ることです。
隙間からはみ出さない様に慎重に接着します。
私の使用した湿度計にはテーパーが入っているので、ケースを組み立てたあとにセットすることができません。湿度計をセットした後、下記のようにクランプで固定しながら接着して、組み立てていきます。
タッパーの準備
タッパーに固定用の穴をあけていきます。
まずは、フィラメント固定軸を固定する穴を準備しています。タッパーには中心にへそがあるので、そこを中心に油性マジックで45度の十字線を引きます。三角定規とか、スコヤでもいいと思います。
書いた十字の反対側から、フィラメント固定用の部品を当てがい、穴をあける点をマークします。
次は、表からフィラメント固定用の部品を当てがい、先ほどマークした位置を穴の位置を合わせ、両面テープや、マスキングテープ等で仮固定します。その後、マーキング位置に下穴をあけていきます。
私は、木工界隈では有名な「STAR-M センター1発」を使用しました。
これは、すごく便利な下穴ドリルで、ねじ穴の中心に正確に下穴をあけることができます。
木工以外にも、こういう加工にも使用できるので、1本持っていると便利だと思います。
後は、開けた下穴を鉄鋼用ドリルM4で広げます。
下記のように、同様の作業を蓋側、ケース側の両方に行います。
次の同様の手順で湿度計のねじ穴をあけます。位置は、目分量です(^^;)
次にフィラメント取り出し口に使用するPMP6の固定穴(14mm)をあけます。
固定穴の穴開けには、タケノコを使用します。
まずは、穴をあける位置を油性マジックでケガキます。
次に鉄鋼用ドリルで下穴をあけます。
その後、タケノコを使って穴をあけます。止める位置はマスキングテープで印をつけてます。
あとは、油性マジックをエタノールでふき取って、準備完了です。
■ 組みつけ
後は、3Dプリント部品を組付けていくだけです。
蓋側、ケース側のフィラメント固定軸をねじ止めし、湿度計、フィラメント取り出し口、フィラメントをセットします。
■ 完成
後は、乾燥剤とフィラメントをタッパーに入れて完成です。
黒い方が、以前作ったフィラメントBOXで、右側が今回作成したものです。
フィラメントBOXを開けてしまったので、湿度が上がっていますが、通常は、0~15%位でキープできています。湿度は、ほぼ、乾燥剤の能力で決まるように思います。
強力乾燥剤を入れると、ほぼ0%でキープできます。
私の場合、数多くのフィラメントを使用することはないので、白と黒があれば、事足ります。