LoRa(Long Range) わな作動センサー無線機 – 子機の試験結果 改良 #8

WORKS-hunting

前回試作したセンサーを実際にわなを仕掛ける場所にもっていき、無線テスト、設置テストをおこないました。今回風景は、撮影していませんでした(カメラを持ち込めるようなところではないので)。
通信自体は、想定通りで問題なく動作しました。
しかし、実際に設置してみると色々と問題があることが分かったので、改良を余技されなくなりました。問題点は下記の3点。

  1. バッテリーの持ちが悪い
    バッテリーが9V電池をつかったことも理由でしょうが、持ちが悪いことが判明。
    実際に動作させると1日くらいすると発信できなくなります。
  2. 防水
    木の幹に設置するつもりで、雨や雪がバシャバシャと当たるようなところではないので、完璧な防水までは、不要かと思いますが、朝晩の結露のよる湿気が結構ありそうです。
    今回はケースの中まで水が入り込むことはなかったですが、バッテリーを扱う関係上、何かしらの対策は打っておいた方が無難そうでした。
  3. 形状的に設置が難しい
    ケース形状の問題で、センサーをがっちり固定するのは難しく、衝撃が加わるとずれ落ちそうな心もとない感じになりました。


これらの問題に対する対応方法は、以下のように行うことにしました。

■ バッテリー対応

2つの対応方法を考えました。
1つ目は、バッテリーを消費しないようにする方法。
2つ目は、バッテリー自体を大きくする方法。

1つ目の方法は、市販されているセンサーでよく使用されている方式なのですが、磁気センサーを電源スイッチとして使用する方法です。磁気センサーが本体にくっついている状態だと、電源はOFFのままで、磁石が離れると通電を始める。センサーは、そこから定期的に発信を行うという方法です。
この方式ですと確かに待機中の消費電力をゼロにすることはできるのですが、わなが作動しないと機器は動作を開始しないので、センサーの生存確認ができません。
過酷な環境で動作する機器ですので、私は生存確認は必須機能だと考え、今回は見送りました。
ただ、基板そのものは、こちらのタイプにも対応可能なように設計してあるので、信頼性が上がったところで再考しようと思っています。

2つ目の方法は、コスパの良さそうなバッテリーを探してみました。探し当てたのは、ダイソーのモバイルバッテリー(5000mAh)です、計算上は2週間程度は使えるはずです。わな猟においては、2週間は一つの目安です。わなは、最大でも1か所2週間くらいしか仕掛けないですし、かからなければ撤収となるからです。
できれば余裕をもって、1000mAhのバッテリーが使えればよかったのですが、ダイソーのバッテリーは少々大きいので今回はあきらめました。電力が必要であれば、ダイソー製品以外でモバイルバッテリーを探してみようと思います。

■ 防水対策

新ケースは、トレイルカメラ並みのドでかいサイズになってしまいました。
ある程度のバッテリーサイズ、ケーブル収納に耐えられ、バッテリー交換などのメンテ性も確保したかったので、下記のようなトレイルカメラ風ケースにしました。
蓋の裏側にバッテリーを収められるように設計しました。子機を木などに固定したまま、蓋を開けるとバッテリーにアクセスできるようにしてあります。サイズは、WxLxH=94mm x 150mm x 46mmでまさにトレイルカメラ並みの大きさです。
あと、3Dプリント品を防水仕様にするのはなかなかに難しいのですが、TPU、シリコンを駆使して防水することを前提に、このような形状にしてあります(場合によっては防水塗料も使おうと思っています)。

ケースを閉じた状態

蓋を開けると、基板にもアクセスできるようにしてあります。
かなりスペースがあるように見えると思いますが、空きスペースには、アンテナ、USBケーブルが収納されるので、それなりに詰まるはずです。

蓋を開けたところ。

フィラメント使用量を計算すると大体、原価は400円くらいになります。
買うよりは多少安く済むのと、最適サイズになるので、今回は3Dプリンタで挑戦することにしました。

■ 設置対策

設置対策は、トレイルカメラ同様にベルトで止めることにしました。
木の幹や枝に下記のように固定するために、ベルト通しを付けました。
防水対策の図面で、ベルト装着部を確認していただけるとかと思います。

実際に使おうと思っているベルトは、下記の荷締め用ベルトです。
引っ張るだけで締まり、出っ張りを押すだけでリリースされるので、扱いが簡単です。

荷締めベルト

■ 出来上がったケース

下記は、ケース表面です。見た目、角の生えたお弁当箱です。
どうも、TPUを印刷してからノズルの調子が悪く、表面がガタガタで不満足ですが、プリンタの調整を行ってから再トライする予定です。

ケース外観

下記は裏面。ベルト通しを付加してあります。
こちらは、TPUを印刷する前に印刷したので、表面はきれいです。

ケース裏面

下図はバッテリーへのアクセス手順を示しています。
蓋を開けてバッテリー交換すればよいだけにしてあります。こういう状態ですので、今回からバッテリー接続で動作するようにジャンパーをセットしています。
山でねじ止めなど危険なことは避けるようにしています。(まず、100%ねじをなくすと思うので)
仮にわな撤収までに電池が切れた場合でも、すぐに交換できますし、薄暗い朝晩でも電灯だけでも交換可能ではないかと思っています。

■ 次回

今週は、このままバッテリー寿命のテストに入ります。
テストには予定では2週間ほどかかりますので、その間に、子機の増産とWiFi、e-mail機能を搭載しようと思います。
よかったら、また、のぞいていただけるとありがたいです。

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