今回は「電源SW基板」を作成していきます。
「電源SW基板」の役割は2つです。
1つ目は、電源ボタンを押すと、外部のAD/DC 12V電源より紫外線露光機に電源供給します。
2つ目は、再度ボタンを押すと、Raspberry PIに電源OFFを通知します。
Raspberry PIは、電源OFFを検知すると、シャットダウンを開始し、完了すると「電源SW基板」を介して電源OFFします。
■ 回路の動作
今回の電源SW回路は、リレーの保持回路を使用してみました。
理由は、コンセントを挿して起動してしまうようだと、Rasberry PIを使用する関係上好ましくないからです。あとは、ちょっと使ってみたかったというのも理由です。
〇 コネクタの説明
下記は、「電源SW基板」の回路図です。
「電源SW基板」には、外部接続用の端子が3つあります。
12VJPは、12V電源ラインです。
VINJPは、Raspberry PIとの接続コネクタです。
12VINは、外部電源からの入力端子です。
それぞれの端子の意味は、下記のとおりです。
No. | 名称 | 機能 |
1 | 電源ボタン | 電源ボタン接続用端子。 No.2に接続されるとDC 12VがNo.3に出力されます。 |
2 | 電源ボタン | No.1同様。 |
3 | 12V OUT | システムの電源供給端子。 |
4 | GND | GND |
5 | GND | GND |
6 | 5V IN | Raspberry PI電源 |
7 | 電源OFF要求 | 電源ON中は、0V(LOW)。 電源ON中に、電源ボタンが押されると、5V(HIGH)となる。 Raspberry PIは、Level Shifterを介して接続されており、HIGHを検知するとシャットダウンを開始する。シャットダウンが完了するとNo.8をHIGHにして、12V電源をOFFする。 |
8 | 電源OFF | 電源ON中に、HIGHにするとNo.3の電源供給を停止する。 |
9 | 12V+ | 外部電源からの入力。 |
10 | GND | 外部電源からの入力。 |
〇 電源投入時の動作
電源投入時の動作は、No.1、No.2の電源ボタンがショートすると、赤線のように電源が流れます。
一度赤線のルートに通電されると、リレーがNO側に接続されるので、青線のように電流が流れます。
電源ボタンを離しても通電したままです。
〇 電源OFF時の動作
電源OFF時には、No.8がHIGHになると、オレンジの線のように電源OFF用のリレーに電源が入ります。そうすると、オレンジの丸で囲った部分がNOに切り替わり、電源がOFFされます。
■ 基板制作風景
〇 レジデントマスクの塗布風景
今回は、レジデントマスクの塗布にシルクを使用してみました。
作業が冗長なので、早送りしています。
最初は、塗布するインクの量など勝手がわからず何度も様子を見ながら塗っています。
結果は下記のような感じになってしまいました。
色々と問題はあったのですが、一番の問題はマスクを焼き付ける際にインクに気泡が入ってしまい、ポツポツができてしまっています。このため、ところどころに穴があいています。
また、PPシートのしわも入ってしまいできばえはよくありませんでした。
原因は、PPシートをなんの考えもなしに載せてしまったことが原因です。
PPシートは、端からゆっくりと空気を抜きながら載せていかないといけないのですが、完全に忘れていました。次回制作時には、この部分に関しては今まで通り気を付けてやろうと思います。
ですが、肝心のインク厚の均等性は、かなり良かったです。
PPシートをちゃんとした手順でかぶせてやれば、完璧だったのではないかと考えます。
シルクはインクを載せる手としては、かなり優秀だと思います。次回以降もこの方式を採用しようと思います。
〇 電力対応
今回の基板は、電圧が12Vであることと、少し多めに電流を流すので、さらに基板を加工しました。
何をしたかというと、12Vの電源ライン上のレジデントマスクをはがし、電流を通しやすくするためにはんだを盛っておきました。(線部分)
顕微鏡でのぞきながらパターンに沿ってマスクをはがしていきました。 そこそこ、きれいにはんだを盛れたと思います。
■ デバッグ結果
部品実装してデバッグをおこないましたが、、、バグだらけでした。
夜中に酔拳の修行(主に飲むだけ)をやりながら回路図を引いたせいか、バグだらけでした。
ざっと、下記の問題がありました。
- リレーのパッケージが間違っていたため、手持ちのリレー部品が入らなかった
- 電源OFF要求の回路が間違っていた上に、もっとシンプルな対応方法があった(赤丸部)
- 余計な抵抗部品がくっついていた
修正した回路図は、下記(下側の図)のようになります。(赤×部)
今回のところは、とりあえずは、間違った回路を子基板で修正して動くようにしました。
この露光機の動作確認が終わった後に、正しい回路で基板を作りなおそうと思います。
まるでフランケンシュタインのようなデバッグ後の基板をご覧ください・・・(過去最悪かも・・・)
■ 次回
次回は、UV LEDユニットと制御基板の制作しようと思います。
またよかったら、のぞいていただけるとありがたいです。