自作実体顕微鏡アームの修理

休日

今週は狩猟免許の試験勉強中ですので、軽く息抜きに前から少し気になっていた顕微鏡スタンド修理を行いました。
我が家では、電子部品を取り扱う趣味や仕事をする際には、モニタースタンドに組付けられたNikon製の古い実体顕微鏡(SMZ-10:おそらく20年超えのモノ)が活躍しています。
2年以上前にジャンク品を修理して使用していますが、スタンドもなかったので、モニタースタンドに顕微鏡を接続して顕微鏡アームの代わりとして使用しています。
顕微鏡とモニターアームの接続には3Dプリント品を使っているのですが、最近どうもヘタッてきた感じがしました。
古い顕微鏡で鋳物でできていますので、重量で3Dプリント部品が変形したのだと思います。
落下に至ることはない構造にはなっていますが、この顕微鏡のジャンク修理にはものすごく苦労しているので、念のため修理することにしました。
今回は小ネタで申しわけないですが、3Dプリント部品を入れ替えます。

■ 部品の劣化状況

実体顕微鏡の支柱とモニターアームは、下記のように接続しています。
今回部品が劣化して不具合をおこしているのは、赤丸の部分。
下記写真は普段使う顕微鏡の向きですが、見る限りは特に異常はありません。

正常時

ところが、少し顕微鏡の向きを変えると、下記のようにわずかですが、支柱が傾きます。
今のところ回転してしまうなどの問題は起きていませんが、3Dプリント部品が変形しています。

顕微鏡の向きを変えた時

問題の部品は下記のもの。
設計当時は上下方法の重さはアルミ部品とネジで支え、赤丸部分が部品の回転防止することを考えていま した。当時回転させて使うことは考えていなかったのと、ピラー接続部につかえてしまうので、かなり弱々しく設計してました。
顕微鏡を使用しているうちに顕微鏡を回転して使用するケースが増えたので、赤字部分の負荷が増大し変形したと思われます。

CAD図面

■ 修理方針

今回の修理では、回転止めの補強と部品素材を変えアルミ部品とすることにしました。
ただ、今回はアルミブロックなどの素材は手元にないのと、設計が単純でしたので、厚さ5mmの端切れを加工して作ることにしました。アルミ板の加工なので木工感覚で丸鋸で手早く、気楽に切り出すことにしました。

■ 部品制作

丸鋸で切り出した部品は、下記の2枚。
厚さが足らないので、張り合わせて使います。裏側に妙な傷がありますが、端材を使ったので、少し傷がありました。丸鋸で削れば消えるかと思ってましたが、消えずに残っちゃいました。
切断シーンは撮影してなかったですが、普通の木工加工の手順と同じです。
唯一違うのは、丸鋸に装着しているチップソーを金属切断用に変えてある点くらいです。
鉄とかステンレスも切れるはずのチップソーですが、回転を落とさずにきれるのかはちょっとわかりません。(切っている人はいた)

表側
裏側

これを張り合わせて3Dプリント部品に相当するものを作ります。
張り合わせには、下記の金属用接着剤:メタルロックを使用します。
私は、溶接やろう付け等できない部品やアルミ等の修理で使っています。
熱とか加える部品でなければ結構強度もでますし、使えると思います。
顕微鏡の光学部品の修理にも使用しました。


接着剤を張り合わせた後、11時間下記のように固定して完全に接着します。

■部品交換作業

後は、部品交換すればいいのですが、前の部品を外さないといけません。
部品はヒートガンで240度であぶって、柔らかくしてからとりました。

240度でフィラメントを柔らかくする

古い部品を取り外したら、次は作った部品を代わりに装着します。

■ 交換結果

交換した結果は下記のようになりました。
強度はアップした模様です。顕微鏡を回した際の傾きは減ったように思います。
また、3Dプリント品よりもがっちりして安定感が増したように思います。
これでしばらく運用してみようと考えています。

正面
顕微鏡を回した時の傾き

■ 次回

次週は、狩猟免許試験勉強中で、あまり時間が取れないので、また、小ネタになるかと思います。
またよかったらのぞいていただけると嬉しいです。

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