市販くくり罠(イノシシホイホイ)でイノシシ捕獲を目指す – 対策編 #1

ハンティング

前回、下記のように問題を列挙しました。
今回は、「イノシシホイホイ」を使い続ける前提で、これらの問題をひとつづつ検討していこうと思います。設置手順や道具の改造により問題を解消し、次週の猟に投入してみようと思います。

  1. ねじ式負荷による動作不具合
  2. 土台の低さ
  3. くくり金具不具合
  4. 適正な負荷調整ができない
  5. わなの動作が遅い

この問題は、構造的な問題で完全な対応方法はないと考えました。
この構造のねじ式負荷は、両方のねじ負荷が同じで、踏板の真ん中を踏まない限り、片方しか跳ね上がらないように思います。改善策としては、ねじ式負荷を封印し、両方の負荷をほぼ均等状態にすることで、多少アーム動作は改善するかと考えました。
ネジで負荷を調整しても適正値にすることはできないので、思い切って、ねじ負荷をゼロにすることで均等を保つこととしました。
負荷の与え方については、「4.適切な負荷調整ができない」で、検討することにします。
今回は、踏板のネジ部(下記画像のオレンジ部分)を目いっぱい締めこんで、まったく負荷のない状態にします。

この問題に関しては、2つの対応を行おうと思います。

  1. 土台となる塩ビの高さを2倍にする
    標準セットでは塩ビの高さは、3.5cmですが、その倍の7cmにすることで、仮にアームが片方しか動作しなくても、深くなることで踏板が回転しやすくなるはずです。
  2. 設置方法の改善:穴を深く掘る
    さらに、土台の底をなるべく深く掘ることで、より踏板は回転しやすくなるはずです。

下図は、横から見た俯瞰図ですが、たとえアームが片方しか上がらない状況でも踏板自体が回転することで、動作のリカバーを行える可能性があるように思います。
さらに、補助的な効果として、足を落とす深さが現状より深くなるので、イノシシが底まで踏み抜いた場合には、足を引っ込める時間が長くなり、足を括る位置も高くなるはずです。

くくり金具の目的は、足を縛ったワイヤーが緩まないための金具です。
わなが作動したときには、ワイヤー表面を滑りながら獲物の足を縛ります。
ですが、ワイヤーやくくり金具は数週間もの間、土に埋もれているので、どうしても錆、汚れが付着します。この影響で、どうしても滑りが悪くなり、作動不具合発生確率が上がります。
獲物を捕らえた後の安全性という意味では有効だとおもいますが、不具合を起こしてしまっては意味がないと思います。
押しばね式のわなの場合、ばねがへたったり、木などにひかかったりしなければ、まず緩むことはないはずです。不具合を起こすくらいなら、いっそ取ってしまった方がよいと考えました。今回の改良では、私の判断で、くくり金具を使わない方式とすることにしました。

おそらく、すべての問題の中で一番重要だと思います。
わなの負荷が軽いと、イノシシは簡単かつ素早く足を引っ込めることが可能です。その時間:約0.2秒(撮影したビデオを見る限り)。
ですが、適切な負荷をかけることにより、イノシシがわなを底まで踏み抜く確率が上がります。
踏み抜くことで、足を引っ込める時間がわずかながら伸び、わなにかかりやすくなります。
今回は、皆さんよくやられている下記のような楊枝、竹串の調整をおこなうことにしました。

黒:土台


調整方法は、体重計の上にわなを置いて下記のように何Kgで発動するのかを確認するだけです。

負荷試験:イノシシホイホイ ネジ調整なし


試した組み合わせは下記のパターンです。

方法負荷結果
なし1.4Kgイノシシホイホイ ネジ調整なし。
竹串(Φ3mm)×2本10.0Kg負荷は正常動作するものの、跳ね上げが片方になることがある。
竹串(Φ3mm)×4本20.0Kg以上20Kg以上の負荷をかけても、わなを発動させることができなかった。
つまようじ×4本5.4Kgアームは両方ちゃんと跳ね上がる。
竹串(Φ3mm)×2本+つまようじ2本15.8Kgアームは両方ちゃんと跳ね上がる。
試験結果

結果、低負荷、不具合の発生確率を考慮して、下記のように負荷調整することにしました。
結局、竹串やつまようじによって負荷調整する場合、必ず偶数かつ、対面に同じ負荷がないとまともに動作しないようなので、現状下記のように負荷調整するのがベストであると判断しました。

この対応は一つはくくり金具の負荷をなくすことで、ある程度は改善すると思います。
ですが、さらに、塩ビパイプを取り払うことでさらにスピードを上げようと思います。
イノホイオリジナルのくくりワイヤーの場合、ばねはすべて塩ビパイプに収められいます。
塩ビパイプは、冬場に地面凍結などでばねの動きが悪くなる場合の防止策だとおもいます。
ですが、ばねを塩ビパイプに収めてしまいますので、ばねが伸びる際の抵抗となり、わなが閉まるまでのスピードを落としてしまいます。
下記はオリジナルのくくりワイヤーと、改良版のくくりワイヤーの発動スピードを比べてみたものです。動画フレームから計算すると、オリジナルくくりワイヤーは0.18(s)程度、改良版は0.07(s)程度で足を括っています。地面の状態にもよるでしょうが、大体半分以下のスピードで発動できるようになるはずです。イノシシの反応速度は0.2秒未満なので、動作速度の余裕度が増えるはずです。

スピード評価

最終的に、下記のようなワイヤー形状としました。(作ったワイヤーの在庫がないので、不格好な絵で説明させていただきます。申し訳ありません。)
改善部分は、赤丸部となります。
くくり金具の代わりにワイヤーでもっと抵抗なく作動するようにしたうえで、くくり部分に近い方の塩ビ管を除去しました。M5ワッシャーを追加していますが、これは、ばねがワイヤーに絡まないようにするために入れています。ワイヤー径4mmに対して5mmの穴ですので、くくり金具に比べればかなり抵抗は少ないはずです。

次回は、我流の改良版わなを実践投入して様子を見てみようと思います。
少なくとも空はじき記録は、今回の改良で止まってほしいものです。(0/11回はないよなぁ…)
またよろしければ、のぞいていただけるとありがたいです。

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